2012年9月30日日曜日

River Salmon in Hamamasu

 浜益川へ行ってきた。今季事前調査除いて2回目。

 先に結果から。メスオス各1匹、バラシ多数。金曜日から調子は上向いているみたいで、参加者の数を調査数が上回っている。多少なりとも楽勝ムードを感じつつ釣り場へと向かった。心配なのは天気だけだった。



 今回も少しだけチャレンジ。まずは8番のスイッチロッドの使い道。もし鮭がかかったらどうなるのか。そしてエアフロのレイジコンパクトは使えるラインなのかどうか。最後に新作フライとスレた鮭対策。

 風が強い中、短い竿で、軽めに感じるライン設定はちょっと厳しかった。TFOの8番11fは、400gr-600gr設定。レイジコンパクトは510gr。ちょうどいいぐらいかと思ったら、風が強いとなかなかラインの重みを感じづらかったこと、逆に風がやんだらちょうどよかった。リーダー直結だったせいか、若干アンカーを感じづらかった。ただ、どうしようもなくてオーバーヘッドでキャストするときはちょうどよい重さで、向かい風でバシッとターンオーバーさせれるのはよかったし、これがスイッチロッドでの強みの一つかもしれない。あとはヒットしたとき。ファイトはこの上なく楽しい。8番で鮭は十分いなせると感じたし、短い分ファイトしてても腕がだるくなることがなかった。ただし心残りが一つ。多分口にかかっているのだろう、水面をバシャバシャ2・3度やって、首をふり、ゆっくりとこちらにきたかとおもった瞬間、ものすごい勢いで反転した魚。こちらに向かってくるときにランニングラインをたぐったがために、反転しての猛ダッシュに追随できなかった。要は絡まったということ。思いっきり2.5号のフロロが切られた。しばしの茫然。こういった暴力的なファイトをする魚はほかに3度ぐらいあった。そしてどれも魚にいいようにやられてばれてしまった。鮭には十分だけれども、中にいるそういった魚をいなすほどには竿に力がないということだろうか。そうやってすぐに道具のせいにしてしまう。
 
 エアフロのレイジコンパクトについて。エアフロってメーカーは本当にいいラインを作る一方で、使い方とか、うんちくが足りないといつも思っていた。例えば、スカジットコンパクトの先にはどんなティップをつければいいのだろうか、スカジットコンパクトインターは同じ竿であればフローティングと同じ重さでよいのか、どのようなシチュエーションでラインを選択すればよいのかなど。メーカーサイトや通販のサイトを見ても実は答えらしきものはほとんどない。
 アメリカでのエアフロを仕切っているのはTim Rajeffで、彼が現地で改造ラインの噂を聞き、製作者の助けを借りたというのがスカジットコンパクト製作のきっかけという話が Larimer Outfitters というサイトにでている。その改造ラインの製作者であったLarimerさんはオレゴン在住のスチールヘッドガイドであり、エアフロのラインデザイナーとしてスカジットコンパクト、スカジットコンパクトインター、レイジコンパクト等の製作にかかわっている。自分たちがいつもの釣りに使うラインの製作者ということね。
 やっぱりというか、ラインの使用状況が事細かにでている。レイジコンパクトは、スカンジとスカジットのハイブリッドであり、風を考慮して力強さを優先させたこと。サマーランスチールヘッドでデシューツのような風の強いエリアでフローティングラインを使いたいときのために製作された。スカジットラインを使っていてティップにフローティングティップをつなぎたくなるようなとき。スカジットラインでフローティングティップはさまざまな問題も生じるのでこのラインを使えと。
 そして10フィートのシンキングポリリーダーをつかうことを想定。たとえスケーターカディスで釣りをするときでもインターミディエイトがいいよとのこと。確かに通常のリーダーだとアンカーが切れやすい。そしてスイッチロッドのフローティングラインとしても最高と書いてある。

 実際の使用感としては嘘はない。確かにスイッチロッド用のラインとしては使える。ただ、13ft-14ftの竿でフローティングラインをメインで使うなら、多少風が強くてもAFS使っちゃうかな。やっぱりターンオーバー重視ということで。他にもでているラインのうんちくについては後日紹介予定。


 そしてスレ鮭対策。6番で動きの少ないオレンジフライ。2回ほどバラシがあったので○としよう。しかし、後半のすれすれ鮭には有効ではなかった。逆に、みんな釣れないで苦しんでいるとき、小さなフライを使いたくなるとき、イントルーダーが一番反応が良かった気がする。ただし、川の鮭は場所が命なので、群れがちょうどよく回ってきて、そこに無事キャストできたからかもしれないけれども。それでも今日一番は赤いイントルーダーだったということにしたい。ちなみに自分のフライは上記のLarimerさんのリバースマラブーというフライ。Larimerさんのフライは本当に刺激的で、skagit master3でしっかり影響をうけてしまった。こちらで販売されているLoop Leechはその改良版がDVDでもタイイング時の背景で並んでいる。

いろいろと考えては試行錯誤する中、何度か思いっきりばらして悔しい想いをする。鮭釣りに対する戦術的な部分は特殊で、目が血走った人が多い中敬遠する人もいるだろうけれど、ファイト自体は最高。今日の魚はスピードも併せ持っていた。またかかるだろうという甘い読みがファイトを適当にさせるからなのだろうか、いい魚ほどバレた。そして本当に自分のファイト技術が未熟ということを痛感する。もしこれがトロフィーサイズの虹鱒だったら。もしそこが激流の流芯ど真ん中だったら。今の自分だとなすすべもないだろう。そんなことを想像しながら、ただばらしただけでなく、自分にも悔しかった、かつ道具のせいにして新しい高性能ディスクリールがほしくなった一日。

2012年9月29日土曜日

Josh's AntiRevolution Spey Swivel 2

 台風が近づいている不穏な週末。あすの浜益川に備えて準備中。
さて、前回の投稿、言葉だけでは分かりづらかったと思うので、写真をとってみた。


 ①ブレイデッドライン ②樽型スイベル ③2mmの熱収縮チューブ


 ブレイデッドラインをスイベルの穴に通してボビンスレッダーで中に引き込む。

*注:この引き込み部分が強度に大きく影響を与えるとのご指摘がありました。可能な限り長く引き込むことが重要かと思います。


こんな感じね。



 もう一方も引き込んでループを作る。引き込み位置を微妙に重複させるように調整すると、仕上げ後に引き込み部分が弱くなることがない。




 引き込むときにはほぐれた部分を利用すると少ない力で引き込める。


 両方作る。その後瞬間接着剤を塗り塗り。


 接着剤が乾いた後、熱収縮チューブをかぶせる。これはアメリカバージョンにはない工夫。スイベルの金属部分の露出を可能な限り少なくすること、引き込み部分の摩耗を抑える役目がある。

 熱処理後。曲げた時に引き込み部分で急に折れることがない。そして結構固く仕上がっている。



完成。

 引っ張ってみた感じでは多分一番弱くなるのはスイベル部分。耐加重が記入されてあるので、各自のバッキングラインやリーダー・ティペットの強さよりも強くしておけばいいと思う。あまりサイズが大きすぎるとそれはそれでガイドに引っ掛かりやすい。春から試しているけれど、自分ぐらいの釣りの頻度で使用してみて川にラインを放流したことは一度もない。
 使用後はブレイデッドループや熱収縮チューブに摩耗がみられる時がある。消耗品であり、永久交換不要な品では決してないので、各自のチェックと自己責任の下でご使用ください。もし他にもここを改良すると具合がいい、とかありましたらぜひお教えください。

 ちなみに自分はモノフィラのランニングラインポンドを使用していますが、湖などでペリーポークを繰り返しても回転がもとでできる縒れはなくなりました。70を超える鮭とのファイトでも、カラフトの50m以上の疾走でもいまのところ不具合はでていません。課題は使用に伴う経時変化かな。
 

2012年9月25日火曜日

Josh's AntiRevolution Spey Swivel

ちょっとみつけたお役立ちのアイテム。
英語力が丸わかりでとっても恥ずかしいのを承知で和訳してみた。

Josh's AntiRevolution Spey Swivel

"Offering a new level of inner peace for all Spey fishers." Some days of casting with a Spey outfit are easier than others. Days when you get a lot of tangles in your shooting line are never easy. Casts which produce balls of knitting jammed up against your first stripping guide impair your concentration and pretty quick other faucets of your casts suffer as well.
Most Spey casts involve circular motions with the rod, which have a habit of twisting the line. Some types casts may put a full revolution of twist in your line each cast. As you work down stream through a piece of water, possibly fifty or more revolutions in your line may result. Pretty quick your shooting line is so twisted that executing a cast without tangles becomes nearly impossible.
There are several methods used for un-twisting a Spey line. Undoubtedly you have your method. Some while back, Josh Linn decided to eliminate the problem altogether. After a lot of trial and adaptation, Josh perfected a way of installing a small barrel swivel between the shooting head and the shooting line. This eliminates line twist and make tangles in a shooting line virtually a thing of the past.
My prediction is that the AntiRevolution Spey Swivel will be the most copied Spey innovation of the next 10-years, because if you don't have one in each Spey line, you will have tangles. No one wants more tangles. The AntiRevolution Spey Swivel is the best answer for reducing tangles caused by line twist.
You can make own. We have all of the proven parts, and will teach you how.
Each new Spey Shooting Head / Shooting Line Combo purchased during the next 30-days will include a Josh's AntiRevolution Swivel installed at no extra charge.
Josh's AntiRevolution Spey Swivels are all hand assembled. Each swivel is thoroughly inspected. Each loop system is made in our store and is tested to withstand 30-pounds of pull-pressure. No claim is made beyond that.
Fishing tackle succumbs to wear and tear and user errors. It is up to the user to inspect his/her tackle continually during each fishing cycle. Every one of our guides and fishing employees has tested this swivel system extensively under actual steelhead fishing conditions, and their feed-back and input has been very helpful and greatly appreciated. It is easy when you live in Oregon.
You just go to your community rivers and test stuff on fresh steelhead. Simple as that!

【ジョシュさんの回転防御スペイスイベル】

「すべてのスペイフィッシャーのこころの安らぎに新たなる地平を申し出ます。」

 スペイの道具でキャストすることは以前よりもやさしくなってきている。あなたがシューティングラインに多くの結びコブを作ってしまう日は決して簡単なんかじゃないけれども。ストリッピングガイドにまとわりつく塊をつくりだすキャストは、あなたの集中力を損ない、あなた自身のキャスト全般についても同様に苦しませることになる。

 多くのスペイキャストはロッドでの円運動を含んでいて、それはラインをよじる習性がある。ある種のキャストは、あなたのラインをキャストごとに目いっぱい回転させるかもしれない。ある流れをひと流しするとき、ひょっとすると50以上もの回転があなたのラインに生じているかもしれない。かなり素早く動くあなたのシューティングラインは、非常によじられるため、もつれなしのキャストを行うことはほとんど不可能になっている。
 スペイラインをよじれないように使用する方法はいくつかある。あなたが自分自身の方法をもっていることは間違いないであろう。過去において、ジョシュ リンはその問題を完全に駆逐することを決めた。多大な試行錯誤ののち、ジョシュは、小さな樽状のスイベルをシューティングヘッドとシューティングラインの間に設置する方法を完成させた。この方法は、ラインのよじれを駆逐し、シューティングラインのもつれを事実上過去の物にする。
 アンチレボリューションスペイスイベルは、これから先10年において最も真似されるであろうスペイでの技術革新となるだろうと私は予言する。なぜなら、もしあなたがスペイラインごとにこれを取り付けなかったら、あなたは絡んでしまうことになるだろうから。だれもこれ以上絡まることを望んではいない。アンチレボリューションスペイスイベルはラインのよじれによって生じる絡まりを除去する一番の答えなのである。
 あなたは自分で作ることができる。我々には実証された部品のすべてがあるし、あなたにどうやって作るかを教えて差し上げよう。以後30日間にスペイのシューティングヘッドとシューティングラインのセットを新しく購入した人には、無料でジョシュのアンチレボリューションスイベルを取り付けることを申し出ましょう。
 ジョシュのアンチレボリューションスペイスイベルはみな手作りです。それぞれのスイベルは徹底的に検査されている。ループシステムは我々の店でつくられ、30ポンドの引っ張り強度に耐えるようテストされている。それ以上のクレームはなさらないでください。
 釣り道具というものは、摩耗し、引き裂かれ、そして使用者の不注意で壊れてしまう。自分の道具を各々の釣り期間にあわせて継続的に検査することは、使用者の義務である。我々のガイドや従業員のそれぞれが、このスイベルシステムを実際のスチールヘッドフィッシングの条件下で熱心にテストしてきた。そしてかれらのフィードバックは知見はとても役に立ち、非常に感謝すべきものであった。あなたがオレゴンに住んでいるときには簡単なことである。
自分の地元の川へ行って、生きのいいスチールヘッドでこれを試してください。とっても単純だから!
 

 凄く適当な訳だけれども雰囲気は伝わるだろうか。誤訳がありましたらご指摘ください。
 初めてこの文章をを見た瞬間、あわててラインを買わなきゃとポチっとやるところでした。今はキャンペーン期間は終わっているけれどもね。アメリカ人らしい推薦文句が心を熱くさせます。
 熱くなった拍子に自分で自作してみたところ、なかなか具合がいい。折にふれてお知り合いになった方に自作したものを推奨しているのだけれど、「60サイズがかかってすっぽ抜けたらどうしてくれる」とか言われている今日この頃。今のところ根掛かりでラインを持って行かれたことはありませんし、先日の60のときにも大丈夫でしたし、鮭でもOKでした、と付け加えておきます。

 近日中に作成過程アップしてみます。だから分解しないで待っててくださいね。

2012年9月24日月曜日

Blue sky, Brown Olive back

 残暑が厳しかった今年の夏。ちょうど秋に切り替わる狭間だったのだろう。暑くもなく寒くもなく。


 浜益川に向かうか、最近あまりいい話を聞かない北の川へ向かうか、直前の夕方まで迷った。しばらく赤いフライしか巻いていないようでいて、夜な夜な北の川用のフライを巻きためていた。夏を過ぎたあたりから特にオレンジに攻撃的になるんだよと、自分を納得させながら。やっぱり本流で自分を試してみたくなってハンドルを北に切った。

 朝一のポイントではまだ新しいフライを信じ切れず、いつものビーズヘッドを結ぶ。これがまたよく当たるのだからやめられない。ちょこちょこと小さな虹鱒にいたずらされながら、小さいながらに1匹をかける。よし、これで十分だ。あとはデカイフライでいきましょう、と気持ちを切り替える。30cmに満たないサイズだけれども、流れの中でかかると一瞬ドキリとさせられる。これが50アップだったらいったいどうなるのだろう・・・。デカイフライにはデカイ魚が似合うはず。巻きためたイントルーダーやダーティーホーの出番だ。まだ薄暗い雰囲気の中フライをチェンジする。
 選択したフライはアピール力抜群。広い流れの中遠くからでも十分みつけてくれるはず。もしかしたらアピールしすぎて逃げてしまうかも、と一抹の不安をいだきながらお気に入りの流れ、そして新しいポイントを流してみる。途中の新規開拓のポイント、瀬がひらけるところの緩い流れを釣り下っていたら、もう少し、もう少しと気がつくと胸の位置までウェーディングしてしまっていた。ふと岸際にあがろうとするともっと深くえぐれている。あぶない。危うく入水自殺となってしまうところだった。銀色の遡上魚ッぽい尾びれが三角の魚を目の前で見てしまって興奮していたからかもしれない。


 次のポイントで友人が魚を掛けているところに出会って、ポイントを前にレクチャーいただく。

 「滑るので気をつけて」
 とはいわれたものの、流れが急になったところにひざ上まで立っただけで、生まれたての小鹿のような足どりになってしまった。そのままキャストし続けるというのだから、冷や汗の連続。それでももう一歩前へと行きたくなる流れ。ここだけ雰囲気が違う。自分に結果がでなかったのはたまたまだろうからまた次回試してみようかと思う。

 その後、ポイントを変えて60アップがでた。・・・・メスの鮭だったけれども。


 予想以上に酔っぱらってしまった夜。次の日、前日から決めていたポイントへ。フライはもちろんダーティーホーオレンジ。一投目から20cmちょっとの虹鱒がかかる。ちょうどこのフライを待ちかまえていたかのような出方はすこぶる気分がいい。スカジットインターにちょっと強めの流れだからとType6のティップを3m。ティペットは7ftぐらいの2.5号フロロで。ときにストラクチャーが多くフライを何個かロストした。岸際を釣り下っていくと、無数のウグイの稚魚がいる。この稚魚を狙って大きな虹鱒は身をひそめていないだろうか、と期待を高める。 
 岸際が反転流になったところでフライを沈めすぎてロストしてしまう。ちょっと下に下って反転流と本筋が溶け込むあたり。オレンジ黒、この日一番期待のフライをキャストした。



 ちょっとミスキャストだったかな、とフライを回収。無心でランニングラインをたぐったとき、根がかりした、のかな、って首振ってるよ!ついに念願のグッドサイズがかかった。しかも1投目。ランニングラインを処理しようとリールに手をかけるまでもなく、すぐに魚にラインをもっていかれてしまった。そのままリールファイトに持ち込む。
 魚の姿は見えない。リトリーブ中だったのでフッキングが心配だ。首を振るたびに気持ちが高ぶる。魚は動く。しかし、こちらの意思ではなく、魚の意思で。つっぱしるというよりも、ズンズンともっていく感じ。正直、もしかしたら鮭かもしれないというのが感想。たまに水面をバシャバシャと割るが、銀ピカではない。でももしかしたら茶色っぽくない?もしこれが虹鱒なら完全なトロフィーサイズ。


 茶色く太い体は最初イトウかと思った。ファイトがあまりにも鈍重だったので。どうにかネットイン出来た時には虹鱒だと確信。体中が喜びで震えた。


 オスの60。メジャーは持ち合わせていなかったけれど、いつかはこの手に60cmの虹鱒を掬いあげることを夢見て作ったネットのサイズが60cm。ネットのサイズと魚のサイズがジャストフィットした。


 太い体、余力を残した大きな目、しゃくれたアゴ。そのすべてに憧れていた。まさか自分にこんなのが釣れるとは思いもしなかった。ちょうどしゃくれた下あごの先端に6号の管付きチヌバリが刺さっていた。この魚体だったからフッキングとなったのだろう。針をはずして流れにたたせただけで悠然と戻って行った。多分余力を相当残して自分の写真撮影に付き合ってくれたのだと思う。


 しかしまあ、よくもこんなフライでつれたものだと感心してしまう。今回の釣行によって、大きなフライで大きな魚を釣るという目標は達成してしまった。ではもう満足したのかと自問する。いや、もう一匹釣ってみたいんだ、と心の底から願ってしまった日曜日。

2012年9月17日月曜日

The Intruder season

 大きな魚を大きなフライで釣り上げることを目下の課題としている中。
 今年2回目の浜益川サケ釣獲調査に行ってきた。

 昨年あたりからセパレートフックの真っ赤なゾンカーを使っている。別にこれでなくてもいいのだけれど、なんとなく大きなフライのほうがいいかなと。全長15cm近くにもなるけれど、大きな鮭用スプーンにタコベイトの組み合わせよりはよっぽど小さいし、ある程度のアピール力がないと遡上魚のやる気を引き出せないのではとの思いから。最初は半信半疑だったけれど、群れが薄い中結果をだせたので今では自分の中の定番フライとなってしまった。今年は春先からJerry FrenchのDirty Hohの容姿に痺れてみなこぞって巻いているのではないでしょうか。こういうので釣れたら、さぞかしくるでしょうね。

 振り返ると、過去同じようなムーブメントにIntruderがあった。
 当初はセパレートフックというのに惹かれたけれど、どうやらマラブーやオーストリッチをタコベイト状に巻いたフライの総称らしい。ダビングボールなどのコブを利用して透過光を模した姿にするようだ。フックやフロントのマテリアルの多さから頭が浮き上がりそうなところをコーンヘッドなどを利用してバランスをとる。最初は8番フックぐらいのサイズに巻きたいとあれこれマテリアルを試してみたけれど、結局はマラブーやオーストリッチの動きに勝てないこと、そもそもが大きなサイズでアピール力を高めるためのフライということで、全長は軽く10cmを超えるのが無理がない。そして大きなサイズを前提に巻いてみると、驚くほど動きの良いフライができた。ただ、こんなん、いつ使うのでしょう?ウィンターランのフライということで鮭稚魚にボイルする遡上アメマスに使ってみたらピクリともしませんでした。50cmを目安にトロフィーとする日本のフィールドではでかすぎる気がする。思えばIntruderでバカ釣れなんて話はあまり聞いたことはない。かっこよさから巻いて、現場でティペットの先に結ぶことを躊躇してボックスの肥やしにしている人は結構いるんじゃないかというか、自分がその一人。
 ただし、対象魚が60cm・70cmとなると話は別。そこに遡上魚、秋というキーワードが加わると、実は鮭に有効なんじゃないだろうかと1年ぐらい思い続けてきた。



 それまでは鮭釣りというと、大きなフックに巻いた真っ赤なゾンカーか、普通のマラブーといったところ。なかなかサイズの大きいのが巻きづらい。そんな中、セパレートフックはテールのゾンカーの絡みを少なくしてくれるので、重宝している。これはこれで一つの正解。真っ先に結ぶフライの一つ。願いどおり1匹釣れて、少しか気持ちにゆとりがでると、新パターンを試したいところ。そして去年からイントルーダーを使ってみている。
 浜益川の流れは場所にもよるけれどほとんどない。川の深さも腰ぐらいまであればいいほう。重いフライを使うとすぐ根掛かりするので漂わせるのには無理がある。かといってノーシンカーではフライ自体が水にうまくなじまない。実際に釣り場で使ってみて改良を加えるには3日間では短すぎた。



 今年。もうトンボが飛び交う季節になった。サイズも大きく、真っ赤なマラブー。スリムに巻けるプラスチックチューブも用意した。フックのセット方法も研究した。群れが薄く厳しい中1匹セパレートフックゾンカーで釣り上げた後、ようやく出番だとばかりにIntruderにチェンジする。タコベイト状にふわふわと泳ぎ、フラッシャブーがきらめく容姿はまず自分が釣りあげられてしまう。これならいける。
 専用のマテリアルや器具がフライショップにあるとは限らない。東急ハンズで1.8mmの塩ビパイプを購入。駐車場代のほうが高いぐらいの価格。その後Fランドの自作仕掛けコーナーに、1.5mmのがあった。これだとコーンヘッドを直接さすことができる細さで駐車場代もかからない。
 チェーンボールアイはホームセンターで購入した一番小さいものを選ぶ。プラスチックチューブが浮かないように、かつ、沈みすぎないようにね。
フックは管付チヌバリ6号。Loop to Loopで針にむすんだら、ティペットのコブがちょうどチューブの端にひっかかって固定される感じ。そのコブの固定のために短めのシリコンチューブを使用。これでフックもゆらゆらと揺れつつチューブボディーから離れることもない。
 オレンジのシェラッペンやら、ギニアフォールなんて、なかなか手がでないけれど、巻き進めるうちに赤のマラブーとしっくりなじんでくる。堂々手のひらサイズのIntruderが完成した。

 現実は厳しい。投げても投げてもノーリアクション。黒い群れにむかっていくら投げても無反応。漂わせても引っ張ってもだめ。そんな中、なるべくふわふわとした容姿を保つようイメージしながらアクションを加える。すると一度だけ反応があった。ん!首を振られてすぐにばれた。反応があって気持ちが高ぶる中もう一投。同様のアクションを加えると、すぐにきた。


 メスの71cm。ようやく。大きなフライで大きな魚を釣ることができた。岸辺で休んでいたスペイマンの方から、まだ口使う魚いるんですね、と驚かれる。厳しい中、遡上魚にアピールできたことを非常に嬉しく思う。




次回は塩漬けサンマカラーでも試してみようかな。