2013年12月1日日曜日

Brown Trout Day

 久々の更新になってしまった。あのあと浜益での釣りも無事終えた。毎回1匹は釣れたのだから、多少数は少なくても文句はいうまい。あとは本流でのタイミングがなかなか合わなかったのが今年の心残りだろうか。そんな中、自分にとっては新しいタイプの釣りにチャレンジしてみた。


どこで、と聞かれても、ちょっと言えない。自慢だけはさせてもらうこととする。

平日の朝から半休をとって行ってきた。
こんなのや、


こんなの。


いい魚だった。







 わざわざニュージーランドまでいかなくても、北海道にはこんなのがいるということ。会社をやめてでも東京から帰ってきてよかった。

2013年9月9日月曜日

A girl loved by fishes

 上の娘はお世辞にも運動ができるとは言えない。走れば遅いし運動会ではいいところを探すのが難しい残念な人かもしれない。
 でも一緒に釣りにつれていくと不思議が連発する。冬場に遊びにいった釣り堀では、教えている間に真剣勝負で負けた。虹鱒の釣り堀に行ったら、ロールキャストで教えている間に魚をかけてしまった。ワカサギは母親より釣る。おかげで自分の釣る時間すらなくなってしまう。この間遊びにいったハイジ牧場で暇つぶしにやった池の鯉釣りでは、まさかのビッグワンをかけて、竿をのされて糸を切られてしまった。昨日のハゼ釣りでは3人で一番釣った。型もよく、おかげでいいおかずになった。そんな彼女は、どうやら魚に好かれているらしいということにようやく気付いた。 スピニングリールで投げようとしても斜め後ろにキャストしてしまうような娘だけれど、ちょっとばかしキャストして竿を渡した瞬間に魚を掛けてしまう。同じように下の娘に竿を渡しても、いや、竿を交換しても釣れることはなかった。そんな魚に愛されているような人って、たまにいないだろうか。

 自分で作ったフライもそんな調子だったらいいのにと、いつもフライ交換ばかりが先にたつ自分。妄想をこめてつくったフライで魚がかかると、してやったりとばかりに嬉しさが先に立つ。


 ノーウェイトでゆったりとした流れでたなびくようにと試作したフライをもって、浜益川の鮭釣りへと向かった。事前調査期間ということもあって、あまり釣れないかもと期待はしていなかった。でも、上流に行く間に何人かの釣り人の竿が鮭で曲がっているのが見えると、期待感が先行する。もしかしたら釣れるかも。
 例年のポイントについて、1投目。まさかこれで釣れたら、なんて思っていたら、本当に魚がかかった。


 その後も気配がありそうなところを流しながら、小刻みにリトリーブしてみる。するとまた釣れた。場所をかえて、鮭がはねたあたりで同じようにリトリーブしてみたら、また釣れた。もしかしたら、このフライ、魚に愛されているかもしれない。3匹ともがっちりと口にかかっていたのが印象的だった。色、流れ、水温、タイミング・・・・いろいろあるかと思うけれど、その日の朝2時間の間は絶好調。まあ、そのあと4時間粘っても無反応だったけれどね。

 今年も浜益川の釣獲調査が始まった。ちょっとしたヒットフライを見つけることができたので、もう少し実験を繰り返してみる。もし調子が良いようだったら、色をかえて虹鱒にも使ってみようか。

2013年8月28日水曜日

Rainy day in Siretoko 2013

「早く行きたいなら一人で行きなさい、遠くへ行きたいならみんなで行きなさい」



そんな諺があるらしいけれど、夏の知床への旅はまさしく遠く、みんなで行く旅となる。
釣り場での天気を想像して、運転を交代しながら、リールの音から仕事のことまで。とりとめのない会話が続く。気がついたら現地についていた。






 渡った先は雨。うねりもある。右後方から吹く風はキャストをさらに難しくする。
 知床の渡船は、まるでパラダイスのような場所として紹介されることが多いけれど、環境対応力の低いフライフィッシャーである自分にとっては過酷でしかない。


 波を避ける場所を探し、風の向きを考慮して、かつカラフトマスが回遊するポイントを探すこと。いいところを 見つけても群れが小さかったり、潮が引いてどこかへ行ってしまったり。5m離れただけでつれないことは当たり前だから、場所に対する自由度が高いルアーマンがうらやましくてしょうがなくなるときもある。だから1匹釣れると心の底からホッとする。
 よく釣れている仲間の隣で釣っていると、雨は激しさを増した。一人、また一人と番屋へ避難していく。スペースが大きくとれるようになったとき、「こっちへおいで」とよく釣れている仲間の一人に手招きされた。10mも離れていない。いつも割り込まれることはあっても招かれたことはない。本当に嬉しかった。そして、そこはまさしくパラダイスだった。ピックアップしようとラインを打ち返すだけで魚がかかってしまう。スレも含めて右肘が筋肉痛になるほどファイトを堪能した。




 徹夜で釣り続けたものだから、宴会もそこそこに一番先に寝てしまった。本当はワインもウィスキーももっと飲みたかったのだけれど、おいしいカラフトマス料理で腹が満たされると、猛烈な眠気に襲われた。楽しい宴会に後ろ髪引かれつつ、寝袋につつまれた。


 おかげで翌朝は暗いうちに目が覚める。 二日酔いもほとんどなく、体の調子も良い。そして雨はまだ降っていた。それでも準備をすすめる。誰よりも早く釣りをしてみたかった。真っ暗い中、熊の恐怖におびえながら、河口へと進む。ラインを視認できない中、ロールキャストを繰り返す。少し薄明るくなってきたとき、打ち返した瞬間に銀ピカのメスがかかった。


 打ち寄せる波にあおられながら、リトリーブは波をかわす程度にして沖目の群れの中を漂わせる。「グン」とラインを引くアタリに続いて押さえ込むような動きをみせる。おもむろに動きだしたと思ったらリールは逆回転を始める。断続的なリールの唸り声。スプールに指をつっこんで1Xの限界まで抑えこむ。それでも断続的に突っ走られてしまう。ここからは魚をいかに寄せるか。寄せては走られを繰り返した後、口にかかっているマスをみて、釣りをしていることに満足する。口にかかっているのは娘と一緒に巻いたゾンカーだった。このマスを持って帰って、一緒に巻いたフライで釣れたと家族に自慢することにしようか。



 カラフトマスのアタリを反芻しながら、今回の知床への旅に満足する。旅立つ前は、この旅を目標にする毎日だった。もう終わってしまうことに一抹の寂しさを感じつつ、そしてまた来年もここに降り立つことを心のささえにこれからを過ごしていく。


2013年6月23日日曜日

The Rain and the Rainbow

春の道東以来、何度か釣りにはいったのだが、思うような結果もでず。往復500kmで手ぶらというのはかなりしょげる。

今回はようやくどうにか。運がよかったとしかいいようがない日。
                                                      

フライはいつもの初夏セット。ヒゲナガの時期、どちらも良く釣れる。ワンパターンであることと、根がかりで2個同時にロストするのが惜しい。
  
しつこく流してようやくでた虹鱒。大きな跳躍を2回も繰り返してひやひやした。鼻先に黒い針がかろうじてかかっていただけだった。




 ピンと大きくはった鰭と産卵を終えた尾びれ。力を取り戻した虹鱒は素晴らしかった。






 一度場所をかえて、もどってきてからの1匹。サイズは小さくてもセッジパターンで釣れたことに小さな喜びを感じる。













 去年は1匹も釣れなかったのに、この日だけで3匹もつれたアメマス。傷あとが痛々しいが元気いっぱいの夏アメマスだった。太くて強いアメマスはナイスファイター。これもセッジパターンだった。
 「11時がいい」とはきいていたけれど、大きなカゲロウの羽化が続く中、1時間ぐらい釣れ続けた。









 ややワンパターンでマンネリとなったので、場所を移動した。今日は人が多い。めぼしいポイントはだいたい車で埋まっている。あちこち移動して最後に水が多くて濁り気味のヒゲナガが目立つポイントへ。水かさが増して流れも強い。人がいないのもうなずける。
 水色にげんなりしながらも流す。こういった条件では岸際がいいはずと丁寧に流す。そんなときに今年初めて見たヒゲナガに気を取られていたとき、流し終わりにグン、ときた。
 のそのそと手前によってきて、下流へと戻りながら首をふる。これはいいサイズだ。流れが強いので心配しながらもライン処理はうまくいった。何度か流れに突進するも、うまくテンションは保っている。どうしようか思案してたとき、ふっとテンションがなくなった。

 釣れた魚より、逃がした魚のひきを何度も反芻する。もうこれで十分というぐらい釣ったとしても、あの流れで獲れなかった魚を思い返すと、またもう一度と、足が向かう。そして、また同じポイントで悔しい思いを繰り返すこととなる。去年から何度ここでバラシたことだろう。自分の下手さ加減にげんなりしてしまう。もうここではいい魚をあげることはできないのだろうか?

 いや、次回こそ、この手に。

2013年4月29日月曜日

Wind Bringer

 みなさんに連れていっていただく。

 前回は秋の湖、その前は夏の終わりの知床。いつもなぜか風が強い。3回連続ということは、もしかしたら自分は風男なのだろうか。そしてみな風を気にせず釣り続ける。もしひとりだったならとうに諦めているだろう風でも、一緒だと釣りをしてしまう。

 それにしても風の強い2日間だった。


 フライは鮭稚魚パターンを3本巻いて行ってみた。シンセティックなマテリアル中心にもかかわらず評判は上々だった。






 あとはオリーブのBHウーリーバガー。白もよかった。チャートリュースは一番釣れなかった。


 そんなの珍しいサイズじゃないよと言われるかもしれないので、せめて写真サイズだけは大きくしてみた。


 その日一番のサイズは62cm。ご一緒いただいた方たちはもっと大きいの釣れていたようですが、自分はこの1匹がつれただけで満足。あとはのんびりモード、いや、実際のところは風に耐えしのぶ時間だったかもしれない。


  風の強い中、少しだけマイザーロッドに馴染めた気がした。


 強い風の中、徹夜明けの疲れのためか、馴れない日々の仕事がフラッシュバックする。風の中、目をつむると様々なことを頭のなかで明滅させながら、一瞬だけの眠りに落ちる。そしてまた水の中に立ちこみ湿原の杭となる。寒くて辛くてもう何度も車に戻ろうと思った。なぜかそれでも竿を振り続けた。この風が日々の迷いを吹き飛ばしてくれることを願いながら。

 

 
 指も体もあちこち痛い。振り返ると仕事のフラッシュバックは消えてしまったようだ。こうやってストレスを忘れるいつもの自分のペースが戻ってきたかもしれない。
 



2013年1月31日木曜日

Mt.Cook

  新しい仕事にはまだ慣れることができないけれど、少しばかり休みをもらったので更新してみる。ブログのページビュー統計を見てみたら、NZからもアクセスがあるようだ。ちょっとばかり嬉しかった。

 大雨の夜。前日の昼過ぎから続く雷鳴。南島の下1/3が厚い雲に覆われていたのを天気予報で確認した。でも翌日は綺麗に晴れることもわかっていた。こういうとき、ガイドでもいると釣りができる場所をみつけてもらえるんだろうけれども一人だったので、せっかくの天気を利用して観光に行くことにした。
 行く途中でトワイゼル川を眺めてみても泥濁り。ああ、やっぱりと思いながら、初日にいい思いができたテカポ運河ならと、立ち寄ってみることにした。


 水質はクリア。風もそこそこ。よし!釣りになる!と観光に行く予定を変更してサイトフィッシング。
 魚に見つけられる前に見つけて姿を見つけられないように隠れること、あらかじめティペットの長さやリールからだすラインの長さを計算しておいて、どのあたりにフライを落とすかを決めておくこと。コツを掴んでからはかなりの確率でキャッチすることができた。



 銀色地に斑点のはっきりしたきれいな魚。




 黄色が強く好きなタイプの体色。




  岸際20cmぐらいを回遊するこの魚の目の前に落としたビートルが、ごく自然にカプリと咥えられたときは猛烈に感動した。




 引きも強く元気がいい。他の釣り場がダメでも釣りになる場所を探すことができたこと、運河とはいえサイトフィッシングを楽しむことができたこと。ドライフライだって咥えさせることができたこと。これまでの不振はいったいなんだったのかと思うぐらいうまくはまった。やっぱり釣りは釣れなきゃ楽しくない。そして振り返るとこの風景があった。


 
 ちなみに、自分が着いた日から、施設建造のために運河沿いの道路は通行禁止となっていた。来年の1月30日までは徒歩でしか探ることができない。もし行くとしたら、プカキ湖側のサーモンファームへは車でアクセスできるので、そこから徒歩で釣りあがるのが一番だと思う。


 気持ちよく午前中の釣りを終えて、予定通りMt.Cookへ。年間の半分以上が雨というエリアだけれど、晴れた日を狙って行ったので快晴だった。

 インフォメーションセンターより。真ん中の遠くに見える山がNZ最高峰のMt.Cook。ここに一度きてみたかった。






 変わり続ける地形の変化についての案内版が印象にのこった。

 「変わり続ける地形の地鳴りや衝突」

 聞いてごらん。
 岩や雪が山の上から転がり落ちるのを聞くことができるだろうか?
 その水の流れは?
 それは変化の音・・・氷河が後退し、水と氷によって山が削り取られる変化の音なのである。

 変化の兆しはあなたのまわりにもある。
 100年前はミューラー氷河でこの谷は埋め尽くされていた。
 ここのそばから氷河の上に乗ることができたかもしれない。
 今日氷河は谷の上のほうまで隠れてしまった。
 奥のほうにある氷河は湖の遠くの端のほうにみることができる。
 氷河によって落とされた岩の破片の堆積は氷河の過去の広がりを示している。

 よく温暖化とは聞くけれど、実際に氷河が後退していく様を目の当たりにするとなんとも言えない気持ちになった。まさしく今自分たちが変化の中にいるのだということを実感した。環境問題は決して人ごとなんかではないと感じざるをえなかった。


 2つあるつり橋のうち第2のつり橋は修理中で途中まで。のんびり歩くと往復で2時間以上かかってしまった。この景色の中歩くことができたことに一人感動していたから。


 釣りのない登山やトレッキングなんて考えもしなかった自分だけれど、こういった抜群の風景の中はじめてトレッキングの良さをかみしめることができた。もう二度とここにくることはない。しかしおかげで北海道に戻ってからもトレッキングをしてみたいと感じたのはよかった。あまり釣りの調子は良くなかったけれど、この瞬間心の底からNZに来てよかったと思う。釣れずにさまよい歩く面白くない日は、今日のような日の感動を引き立てるためにあるのであり、決して無駄な日ではなかった。面白い日ばかりだとこの気持ちは味わえなかったのだろう。これからも続くであろう毎日、嫌なことがあったときには思い出したい一日だった。