2013年8月28日水曜日

Rainy day in Siretoko 2013

「早く行きたいなら一人で行きなさい、遠くへ行きたいならみんなで行きなさい」



そんな諺があるらしいけれど、夏の知床への旅はまさしく遠く、みんなで行く旅となる。
釣り場での天気を想像して、運転を交代しながら、リールの音から仕事のことまで。とりとめのない会話が続く。気がついたら現地についていた。






 渡った先は雨。うねりもある。右後方から吹く風はキャストをさらに難しくする。
 知床の渡船は、まるでパラダイスのような場所として紹介されることが多いけれど、環境対応力の低いフライフィッシャーである自分にとっては過酷でしかない。


 波を避ける場所を探し、風の向きを考慮して、かつカラフトマスが回遊するポイントを探すこと。いいところを 見つけても群れが小さかったり、潮が引いてどこかへ行ってしまったり。5m離れただけでつれないことは当たり前だから、場所に対する自由度が高いルアーマンがうらやましくてしょうがなくなるときもある。だから1匹釣れると心の底からホッとする。
 よく釣れている仲間の隣で釣っていると、雨は激しさを増した。一人、また一人と番屋へ避難していく。スペースが大きくとれるようになったとき、「こっちへおいで」とよく釣れている仲間の一人に手招きされた。10mも離れていない。いつも割り込まれることはあっても招かれたことはない。本当に嬉しかった。そして、そこはまさしくパラダイスだった。ピックアップしようとラインを打ち返すだけで魚がかかってしまう。スレも含めて右肘が筋肉痛になるほどファイトを堪能した。




 徹夜で釣り続けたものだから、宴会もそこそこに一番先に寝てしまった。本当はワインもウィスキーももっと飲みたかったのだけれど、おいしいカラフトマス料理で腹が満たされると、猛烈な眠気に襲われた。楽しい宴会に後ろ髪引かれつつ、寝袋につつまれた。


 おかげで翌朝は暗いうちに目が覚める。 二日酔いもほとんどなく、体の調子も良い。そして雨はまだ降っていた。それでも準備をすすめる。誰よりも早く釣りをしてみたかった。真っ暗い中、熊の恐怖におびえながら、河口へと進む。ラインを視認できない中、ロールキャストを繰り返す。少し薄明るくなってきたとき、打ち返した瞬間に銀ピカのメスがかかった。


 打ち寄せる波にあおられながら、リトリーブは波をかわす程度にして沖目の群れの中を漂わせる。「グン」とラインを引くアタリに続いて押さえ込むような動きをみせる。おもむろに動きだしたと思ったらリールは逆回転を始める。断続的なリールの唸り声。スプールに指をつっこんで1Xの限界まで抑えこむ。それでも断続的に突っ走られてしまう。ここからは魚をいかに寄せるか。寄せては走られを繰り返した後、口にかかっているマスをみて、釣りをしていることに満足する。口にかかっているのは娘と一緒に巻いたゾンカーだった。このマスを持って帰って、一緒に巻いたフライで釣れたと家族に自慢することにしようか。



 カラフトマスのアタリを反芻しながら、今回の知床への旅に満足する。旅立つ前は、この旅を目標にする毎日だった。もう終わってしまうことに一抹の寂しさを感じつつ、そしてまた来年もここに降り立つことを心のささえにこれからを過ごしていく。


2 件のコメント:

  1. yusukeさん、こんばんは。
    知床では、大変お世話になりました。
    来年もお誘いしますので、またよろしくお願いいたします。でも、その前に大事なマーキスはしっかりと水洗いして、錆びさせないようにしてくださいね(笑)。
    それにしても娘さんと一緒に巻いたフライで釣れたのは、きっといい思い出になるのでしょうね。

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  2. Yunさんこんにちは。
    知床では道中含め大変お世話になりました。
    娘もだんだんと大きくなり、しっかりと釣り嫌いへと育ちつつあるのですが、気が向くとタイイングだけは手伝ってくれたりします。そのうち見向きもされなくなると思うと嬉しかったです。
    お教えいただいたエコ運転、通勤にも使っています。市内でも11km越えるようになってきましたよ。

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